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残業まみれ薬剤師中井さん(30歳)の辞め方

中井さん(仮称・当時30歳)は、数年前に高校時代の同窓会に出席した時に話をし、学生の頃にはそれほど会話をしたことはなかったのですが、同窓会で意気投合し、そこからメールなどでこまめに連絡を取り合っている友人です。

彼女は新卒の時には大手調剤薬局チェーンに就職しましたが、社畜と言っても過言ではないほどの過労で身体を壊してしまい、転職を決めた一人です。

中井さんの転職話をご紹介します。

やりたかった仕事

憧れの薬剤師としてキャリアを積もうと意気込んで中井さんが就職した調剤薬局では、毎日大勢の患者さんが来院する総合病院のすぐそばにある薬局で、患者さんから受け取った処方箋はその日のうちに処理することをモットーとしていたため、勤務時間内にこなせない処方箋は残業で対応することが暗黙の了解となっていました。

入社したころには中井さんも「たくさんの症例を勉強できる素晴らしい機会」とポジティブにとらえていたようですが、毎日遅くまで残業が続き、事務作業などは週末出勤でなんとか終わらせるという日々が続いたそうです。

中井さんと一緒に就職した同僚の中には、転職に不利にならない勤続3年を超えたところで転職していく人が多く、中井さんも辞めたいと思いながらもタイミングを見つけて社畜状態から解放されようと考えていたそうです。

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上司からのNOが転職のきっかけに

そんな中井さんが転職を具体的に考えるキッカケになったのは、毎日残業続きで体調が芳しくなく、病院に行こうと上司に半休を願い出たら、「今月は忙しいからダメ」とアッサリ断られたことでした。

ストレスで慢性的な頭痛がひどく、夜は眠れず、目がかすんで手がけいれんするなど、中井さんにはストレスからくる症状が体にも表れていたのですが、病院にも行けない職場で働く意味があるのだろうかと、その時初めて転職しようと決意したそうです。

薬剤師のお仕事は資格があれば転職自体はそれほど難しくないので、職場を上手く選べば資格を活かして別の職場で働くことができます。

石橋を叩いて渡る性格の中井さんは、薬剤師の資格を持っているということで背中を押されて仕事探しに踏み切ることになりました。

残業が無い職場を見つけた

社畜にならない場所で働きたいと決めた中井さん、新しい職場では調剤業務ではない仕事ができるところを探したと言います。

そんな中井さんの新しい職場は、血液センターでした。薬剤師の資格をフルに生かして働ける職場で、献血などで集められた血液の品質を検査したり、抗体の検査、微生物検査などを行っているそうです。

しかし、転職までのプロセスは簡単ではなかったようです。

血液センターから採用通知を受けて職場に報告すると、「来月までは忙しいから受け付けない」と断られてしまったそうです。しかし中井さんの意思は固く、何回か上司に退職届を渡そうとしても受け取ってもらえなかったため、本社の人事に直接提出したようです。

本社では「本来なら店舗ごとにやってもらうのが筋なのですが」と中井さんの退職には積極的ではなかったようですが、退職届を拒否することはできないらしく、最終的には受け取ってもらえたそうです。その後、中井さん直属の上司からは陰湿ともいえる嫌がらせや嫌味を言われたりしたそうですが。

自分に合った働き方

現在の中井さんは、毎日規則正しい勤務時間で働けることは残業まみれの社畜だった頃と比べると生活のクオリティに雲泥の差があるようで、とてもイキイキしていました。

彼女曰く、薬剤師以外に医師や看護師などの医療スタッフも働いているので、医学に関して専門的な知識をより深く学べる点がとてもやりがいを感じられるそうですし、何よりも信頼できる上司の下で働けることが嬉しいみたいですね。

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薬剤師の資格を持っている人は、資格を生かして働ける職場と言うと調剤薬局とか病院をイメージする人が多いと思うのですが、それだけではありません。

薬剤師を欲している職場はとても多く、ドラッグストアとか製薬会社とか、治験施設などもありますよ。それに最近では訪問薬剤師という仕事も人気があり、中井さんは将来的には訪問薬剤師としても働いてみたいと言っていました。でも今は調剤業務とすると社畜だった頃を思い出すから少し業務から遠ざかりたいのだとか。ス

トレスで体に異変が起こるほど劣悪な環境で働いていたのですから、中井さんがそう考えるのはもっともだと思いますし、きっと私でも同じように考えていたのではないかと思いますね。

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