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パソナキャリアを使った転職失敗談(薬剤師)

友人の太田さん(仮称・当時29歳)は、薬剤師として働いていて、これまでに何回か仕事を変えた経験がある人です。その中でも最初の転職は彼自身が失敗だったと認めていて、本人は自分のキャリアの黒歴史と自称しているほど。その失敗事例を見ていきましょう。

転職の経緯

太田さんが黒歴史と自称する職場は、自宅からの通勤に30分程度かかるロケーションの調剤薬局で、すぐそばには皮膚科があり、取り扱う処方箋のほとんどは皮膚科関連のものでした。

太田さんは、より専門的な処方箋の知識を身につけられると思って転職したのですが、それが実は失敗だったようなのです。

その失敗した転職先の職場は、個人クリニックのすぐそばにあるということもあってそれほど忙しくはなく、しかも専門的な設備を持っていないために専門施設での治療が必要な場合には別の総合病院を紹介するようなタイプのクリニックでした。そのため、太田さんが働く職場で取り扱う処方箋は、皮膚科という診療科の中では比較的簡単なものが多く、忙しくないということもあって、調剤業務に関するスキルで太田さんは大きな不安を抱える結果となってしまいました。

転職前の職場はどうだったのかというと、忙しさという面では正反対の調剤薬局で、太田さんは毎日終わらない処方箋に追われ残業しなければ帰宅できないほど忙しかったと言います。終電がなくなるほどの残業はなかったようでしたが、プライベートの予定を入れることすらできないほど日常的な残業が続き、辞めていく薬剤師も多く、離職率は決して低くなかったようです。

「もっと患者さん一人一人とコミュニケーションを取りながら働きたい」

というのが太田さんが転職する理由でしたが、仕事を変えて満足できる職場になったかと言えば、決してそうではありませんでした。極端に忙しい職場から正反対に極端にスキルアップしにくい職場になっただけだったようです。

パソナキャリアを利用して失敗

その転職で太田さんが活用したのは、パソナキャリアというエージェントだったのですが、取り扱う求人内容は大企業の高待遇な求人から地域密着型のものまで幅広く揃っていたそうです。ただし、調剤業務を行なう薬局となると地域密着型のものが圧倒的に多く、薬剤師の資格を生かして働ける研究系の仕事などは、太田さんが仕事探しをしていた時期にはほとんどありませんでした。

どんな所が失敗だったか?

パソナキャリアは転職エージェントとしてはかなりの大手です。太田さんが仕事を探している時でも、きっと彼から質問すればいろいろ情報提供してくれたと思います。しかし、エージェントの側からあれこれと詮索したり聞かれてもいないのにアドバイスするということは少ないと思うので、どんな仕事が太田さんにピッタリなのかを模索する段階で、コミュニケーションが十分ではなかったのかなという気がします。それが、失敗の原因だったと太田さん自身も言っていました。

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失敗の理由は他にもあります。調剤薬局で働く薬剤師はたくさんいますが、その職場の忙しさは求人募集にはもちろん記載されていませんし、忙しさを測るメジャーとなる「一日に取り扱う処方箋の数」は質問すれば教えてもらうことができても、忙しい職場もしくは暇すぎる職場ではあえて記載はしていないものです。

それに、職場のそばにどんな医療機関があるのかをチェックすれば、忙しさがどの程度のものなのか把握できるでしょうし、薬局に顔を出してみるだけでも忙しさを雰囲気で知ることは可能だと思います。太田さんはこうした作業を全くしなかったので、実際に仕事を変えて新しい職場で働き始めてから、自分が思い描いていた働き方とはずいぶん違う、ということを知ることになったのです。これも失敗の原因ですね。

転職失敗を繰り返さないためのアドバイス

失敗を繰り返さないために求職者ができることはたくさんあります。その中でも調剤薬局で働きたい薬剤師となると、比較的簡単にチェックできることって多いものです。

どんな診療科目の処方箋を取り扱っているか、一日の処方箋枚数などは、わざわざ質問しなくても調剤薬局のロケーションなどから予測できますし、薬局の規模を見れば何人ぐらいの薬剤師が働いているのかということも検討はつきます。

そうした点を事前にリサーチしていれば、失敗することはなかったでしょうし、皮膚科という診療科目でより専門的な知識を身につけたかったのなら、クリニックではなく、もっと高度な設備が完備されている専門病院のそばの薬局で働くという方法もあったのではないでしょうか。

太田さんの場合、仕事を変えたことが失敗だったと気づくのに時間はかからず、働き始めてから半年ぐらいですぐに辞めたい衝動に駆られたと言います。しかし、いくら資格を持っている薬剤師とはいえ、ころころ仕事を変えるのはマイナスですから、最低でも2年間はその職場で続けるべく、彼はその期間を働きながら漢方薬剤師などの資格を取得する時間として活用していました。

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