DODAを使って転職失敗(MR)

20代や30代が多いMRの仕事は、医療機関と製薬会社を結ぶ架け橋となる仕事ですが、分かりやすく言えば営業職です。営業するものは新薬や治験薬などの医薬品や医薬機器がメインとなりますが、医療機関に対してルート営業することもあれば新規開拓営業をすることもあります。

私の友人の会田君（仮称・当時29歳）は薬剤師の資格を持っている優秀な人物で、大きな製薬会社から同業種へ転職したのですが、結果的に失敗してしまった事例です。

転職の経緯

会田君が現在している仕事は、小さな規模の製薬会社のMRで、企業が取り扱っている医薬品を取り扱ってくれる医療機関を探すための営業をしています。

企業の知名度が低いために営業はなかなかうまくいかず、「もう取引している所があるから」と門前払いにされてしまうことは珍しくありません。そうした医療機関からの拒絶というものには会田君は慣れていなかったため、精神的なストレスを抱えながら仕事をしています。

以前の職場は外資系の製薬会社で、会田君はやはりMRとして働いていたのですが、自分で考えながら行動することが許されておらず、すべて上司の指示のもとに言われたことをするというスタンスで仕切られていました。

会田君にとっては、医療機関の人といろいろコミュニケーションを取りながら人間関係を築きたいと考えていたようなのですが、上司からは世間話などする必要はなし、用事がなければさっさと帰社するように強く言われていたため、営業先では深く立ち入った話をすることもなく、月日ばかりがすぎていったようです。

そんな働き方に疑問を感じた会田君は、MRという資格を活かして同業他社へ転職したいと考えるようになりました。自分らしく働いてみたい、というのが仕事を変えたいと思った理由です。

DODAを利用して失敗

彼が活用した転職エージェントはインテリジェンスが運営するDODAでした。全国規模でMRの仕事を取り扱っている幅広いエージェントです。有名処ですね。

高収入のお仕事もあれば、週に数日だけのパートまで幅広くライフスタイルに合わせて求人を絞り込める点が高く評価されていて、会田君もこのサイトを活用しながらどんな仕事があるのかを探しました。

DODAの担当者は、会田君とヒアリングをした後、「企業の知名度が高い所はどこも同じような感じだと思いますが、知名度が低くなっても良いのなら、仕事はいくつか紹介できると思います。」と現在の職場を紹介してくれました。企業名は聞いたことがありませんでしたが、ネットで調べると右肩上がりに急成長している企業ということを知り、会田君はぜひ働いてみたいと思ったそうです。

他にもたくさんエージェントはありましたが、なぜ会田君がそこを選んだのかという理由は、小さな会社なら大きな歯車として働けるのではないかと感じたからです。企業規模が大きくなると従業員の数はもちろん増えますし、MRの数も多くなります。そうすると、一人一人の従業員の考えはあまり重要視されなくなってしまい、企業としての方針に従うことが大前提となるものです。会田君はそうした部分に疑問を感じたのかもしれません。

どんな所が失敗だったか？

会田君は、仕事を変えたことで満足できる職場で働けると思っていたのですが、別の部分で不満が出てきてしまい、あまり満足はしていません。

転職して半年ぐらいで辞めたくなってしまい、別の仕事を探したりしているようですが、仕事を変えてばかりいるとキャリアにとってはマイナスになってしまうため、なかなか思い切ることができないでいます。

失敗してしまった部分は、エージェントの担当者から受けたアドバイスがどういう意味なのか深く考えなかった点かなと思います。もちろん、エージェントは休職者の希望に応じて仕事探しをサポートしてくれますが、プロの視点から的確なアドバイスをしてくれることが多いため、仕事探しにおいては視野が狭くなりがちな求職者にとっては、第三者の意見を聞きながら自分にピッタリの天職を見つけられるチャンスなのです。

DODAのキャリアコンサルタントからのアドバイスは、しっかりリサーチしている求職者ならすでに知っていることもあるでしょうし、目から鱗のような斬新なアイデアをもらえることもあります。アドバイスを受けた時に意味がよく分からないこともあるかもしれません。そうした時には、うやむやにせずに詳しく質問することで、会田君のような失敗を未然に防げるのだと思います。