数年前の話になりますが、私が友人と食事をしていた時、どこかで見たことがある人がすぐそばにいて、どこであった人なのかどうしても思い出すことができず、気になったので声をかけたことがあります。
それが現在では友人として付き合いのある平川さん（当時31歳）なのですが、知り合った時には彼は私が良く足を運ぶドラッグストアで働いている薬剤師さんでした。現在では転職して別の職場で働いている彼の事例をご紹介します。
転職の経緯
平川さんは現在、チェーン系のドラッグストアで働いています。
肩書は店長ということで彼にとってはステップアップだったわけなんですが、平川さん自身は仕事を変えたことに決して満足しているわけではありません。
その理由は、薬剤師としてのキャリアよりも、店舗管理がメインになってしまっているからです。
薬剤師を店長と兼任するドラッグストアは多く、そこで働く人は市販薬の品質管理や在庫管理に加え、店舗経営についても業務を行なうことになります。店舗が混んでいればレジ係をすることもありますし、従業員が辞めた時には採用のための面接をするのも店長の仕事だったようです。
平川さん自身、調剤薬局で数年間働いてからドラッグストアへ転職したのですが、以前の職場は店内調剤薬局が設置されていたため、平川さんは基本的な仕事内容は調剤薬局勤務の頃と変わらず、それに不満を持っていました。そして、ドラッグストアで働くのだからいろいろな仕事をしてみたいと思ったことが転職の理由だったそうです。
ファルマスタッフを利用して失敗
平川さんが活用したエージェントは、ファルマスタッフ
です。薬剤師の求人情報を専門に取り扱っている転職エージェントです。
取り扱っている求人情報はとても多く、全国各地で無料の説明会や相談会を行っていることでも知られています。参加したことがある友人に聞いたところ、無料で参加しているにもかかわらず、丁寧にカウンセリングをしてくれて有意義な時間を過ごせたとのこと。
ファルマスタッフが取り扱う求人はキャリア重視のものが多く、残業がゼロと保証されている仕事はなかなか見つけることができません。しかし週休2日の仕事は数多く取り扱っていますし、福利厚生が充実したものも多いので、このエージェントを利用する人は多いですね。
平川さんの場合、ステップアップしたいという気持ちが強かったことがファルマスタッフが取り扱う求人にピッタリだったのかもしれません。ドラッグストアだと休みが平日になってしまうことはあらかじめ理解していたので、休みについてもそれほどこだわらず、当時は親と同居していたため、福利厚生についてもそれほどこだわっていたわけではありませんでした。そのため、仕事探しはかなりスムーズに進めることができて、エージェントに登録してから1ヶ月もかからずに仕事を決めたようです。
どんな所が失敗だったか？
平川さんは職場を変えたことにとても後悔しています。
その理由は、ドラッグストアでいろいろな業務に挑戦してみたいという気持ちがあったことは確かだけれど、人手不足の店舗ですべてを自分の責任で切り盛りすることは大変すぎたようです。最初に2週間程度の研修を受けたようですが、研修で習ったことと実際の実務には大きな差があるのは当然です。平川さんは精神的に大きな負担を抱えながら現在でも働いています。
ただし、誰も頼れる人がいなかったということは、平川さんを店長として大きく成長させたことは間違いありません。
彼自身、慣れるまでは残業をしたり休日返上で働くなど、仕事を覚えるための努力を人一倍しましたし、分からないことは積極的に本部に問い合わせたりもしていたようです。その甲斐あって、現在では薬剤師としての業務をこなす傍らで店長としての業務も行っていて、売上などの成績も順調に伸びています。
そういう意味では、彼は仕事を変えたことで成功だったのではないかと思いますが、彼自身は、薬剤師としての業務やスキルをアップしたいという気持ちが強くなり、現在ではタイミングを見て仕事を変えることを計画しているようです。
転職失敗を繰り返さないためのアドバイス
失敗しない仕事探しをするには、その仕事で具体的にどんな職務をすることになるのか、しっかりとリサーチすることが大切です。
平川さんのように、漠然と「ドラッグストアでいろいろな仕事をしてみたい」というのでは、働き始めてからしんどくなってしまうだけですし、こんなはずじゃなかったと後悔する原因にもなってしまいます。平川さんの場合にも、ドラッグストアの店長がどんな仕事をするのかは事前にいろいろな情報を収集しながらリサーチすれば予測できたはずですし、薬剤師との兼任ということでは、忙しくなることは予想できたはずです。失敗を繰り返さないためには、事前リサーチは必要不可欠です。
