father-1383159_1280

週末に来るおじさんになったN課長(37)

都内の大手IT企業でシステムエンジニアとして働くN課長(当時37歳)の役職は課長。人当たりが良く、かなりまじめな性格です。そのため周りから、特に後輩や部下からの信頼が厚く、よく仕事の相談を受けています。

そんなN課長2歳の娘がいます。とても優しいN課長なので家庭では優しいお父さんっぷりが想像できます。

そんなN課長の悩みは2つ。年々薄くなる髪の毛と、家族との時間が作れない社畜っぷりです。

 

週末に遊びに来るおじさん?

N課長を突き動かすのは仕事への責任感と義務感。もとよりまじめな性格なN課長は人一倍仕事を請け負ってしまいます。

N課長は会社のフロアの誰よりも早く出社し、誰よりも遅く残業しています。始業時間は9時からですが、N課長はだいたいいつも6時半には会社にいます。一体何時に家出てるんだ・・・。そして帰る時間は大体23時頃。家に着くのは0時です。

そう、平日は0時~朝5時の間しか家にいないのです。

ちなみに課長職なので残業代は出ません。

もちろん娘や奥さんは寝ていますので、寝顔を見る事しかできません。

でも家族のためにN課長は戦場へと赴きます。

tie-690084_1280

 

そんなある日、何気ない奥さんの一言がN課長を変える事になります。

 

奥さん「そんなに仕事して楽しいの?娘からしたら週末に遊びに来るおじさんになってるよ。

 

・・・仕事が楽しいか?・・・最近はそんなこと考えたことありませんでした。娘との時間・・・。いつの間にか父親ではなく週末のおじさんになってしまってた。

自分では無意識に気づかないうちに、なりたくなかった父親になっているではないか

「これが社蓄というやつか・・・。」

 

これまでの生活を振り返り、自分がやっていることは本当に家族のためになっているのか?そして自分の人生はこれでよいのか?この日はそのことで頭がいっぱいになっていました。

髪の毛と自分の存在意義は薄くなるばかりなのか。

 

転職を考え始める

今の仕事が嫌なわけではなかったN課長はこれまで転職したいとか仕事辞めたいとか考えたことはありませんでした。

しかし、このままこの会社で仕事を続け、役職を上げていっても生活スタイルは変わらない所か家族と過ごす時間は減る一方。そして今やっている仕事は本当に自分のやりたいことだったのかを考え始めます。

この年齢で転職するリスクを負うべきか、新しい生活スタイルを求めて転職すべきなのか・・・。

考えた結果、N課長は転職エージェントに相談することにしました。30代後半からの転職に強いとされる転職エージェントを活用し、新たな道を進んでいく決心を固めていきます。

a0008_001827_m

新しい会社で人事部として再スタート

転職エージェントと相談し、家族とも相談した結果、N課長は半年後に転職することになります。

 

キーワードは「脱週末おじさん」。

 

これまでのキャリアと経験を活かし、転職後は同じくIT系企業の人事部として縁の下の力持ちとなる道を選びました。もともとまじめで優しく部下からも相談されやすい存在だったN課長は人事部として社員の相談に乗ったり、社内環境改善に力を発揮することができ、結果的にN課長の能力を活かすことができる転職となりました。

そして人事部での仕事と社内環境改善の甲斐もあり、仕事に費やす時間も大幅に減らすことができ、家族との時間を増やすことができました。

まぁ、残念ながら髪の毛は増やせませんでしたが。

 

sleeping-1311784_1280

 

週末おじさんになっていませんか?

仕事と家庭のバランスは難しいものです。N課長の選んだ転職が正解だったのかどうかの価値観は人によっても違うでしょう。

ただ、家族を持つサラリーマンにとってはこれも一つの選択肢です。

もしあなたも「週末のおじさん」になってしまっているのでれば一度自分自身と家族と向き合って考えてみるのもよいかもしれません。

Share this Story

Check Also

不眠症ITエンジニア社畜(29歳)の例

私の高校時代から ...

サイト内検索