転職の経緯
私の友人のEさん(当時27歳)は、大企業の系列IT企業でSEとして働いていました。顧客の経営状態などをヒアリングしながら業務の効率化につながるシステムの導入を提案し、プログラムして作成するという職務を総合的に行うことができる壮大な職業です。
しかし、当たり前ですが入社してすぐにそのようなエキサイティングな仕事を任せてもらえるはずはありませんし、すべてのプロジェクトはグループで行うため、経験が少ないSEは修行ということでプログラミングに明け暮れる日々が続きました。近年では残業が多すぎて帰宅できないブラックIT企業が増えていますが、少人数で膨大なシステム開発を短期間で行うのですから、残業が多くなってしまう理由はとても分かりやすい構図になっているわけです。Eさんの場合にも残業が毎日深夜まで続きましたが、申請上の残業時間は月60時間までとなっており、それ以上は承認が下りないような組織体制になっていました。実態としてはEさんの平均残業時間は月100時間以上だったそうです。
「残業するならせめて残業代を支給して欲しい、そうすればモチベーションをかろうじて維持できるのに」「体調が悪い時でも残業というのはひどすぎる。仕事の効率が悪い時には帰宅したほうが良いだろうに。」といううっぷんがどんどん蓄積していったことが、Eさんが仕事を辞めようと思った理由でした。これは特にIT系に限ったことではありませんし、SEという職種だからという特別なものでもありません。どの分野でも業界でも職種でも、サービス残業が日常的に続くような職場は、社員が長続きしなくて当然だと思います。
利用した転職サイト・転職エージェント
Eさんが利用したのは転職エージェントはマイナビでした。
マイナビは担当者のカウンセリングスキルに定評があり、たくさんの新着求人を取り扱っているという点や、毎日求人情報が更新されるという点は今すぐに仕事を変えたいという人にとっては大きな魅力となっています。
その中でもEさんがこのサイトを選ぶポイントになったのは、IT系の求人情報に強かったから。このサイトは、登録するとスキルレベルを客観的にチェックできるテストがついていて、なかなか言葉や数字では言い表すことができない自分のSEレベルがどのぐらいなのかを把握しやすく、自分のレベルにあった求人を見つけやすくなるというメリットがあります。自分が得意な事、そしてそれまでの職場で培ってきたスキルを活かして別の職場で働きたいと考えていたEさんにとっては、まさに理想的なエージェントサイトだったようです。
転職後の変化
私はEさんが転職した後に、ちょっと相談があって会ったのですが、彼の表情がとてもイキイキしていて驚いたことを覚えています。
それまでは社畜のように毎日終電がなくなるまで残業漬けだった彼ですが、現在の職場はSEでもノー残業を目指している優良企業で、基本的に仕事中に密度が濃い仕事をすることを求められているそうです。ダラダラと効率が悪い仕事をしても、勤務時間中に密度が濃い仕事をしても、評価されるのは最終的な納品物の品質なので、それなら従業員のモチベーションを高く維持するためにできるだけ残業はしない方向で経営されているのだとか。
そうした職場へ転職したEさんにとっては、大好きなプログラムの仕事をしながら、残業せずにプライベートを充実させることもできることは大きなメリットだったらしく、現在の仕事や生活が楽しくて仕方ないと喜んでいました。
仕事とプライベートのメリハリをつけたことで、Eさんには念願の彼女ができたことも報告してもらいました。学生時代からの彼女とは、仕事が忙しくてデートもままならないままに関係が解消してしまったらしいのですが、現在の職場の先輩に誘われた合コンで、素敵な彼女をゲットできたと喜んでいました。プライベートが充実すると、仕事も頑張ろうという気持ちになれますし、まさに相乗効果の典型だと思います。
転職成功のポイント
マイナビでは担当者が最初にカウンセリングおよびヒアリングをして、求職者がどんな職場を探しているのかを把握した上でピッタリのお仕事を紹介してくれる仕組みになっています。自分で探してももちろんOKなのですが、やはり担当者がサポートしてくれるということは大きな安心感につながりますし、素早く新しい職場を探すためにはプラスになることが多いようです。Eさんの場合にも、転職活動をスタートしてからわずか1か月程度で内定をもらっていたので、やはり持っているスキルを活かして別の職場で働くというのは、仕事探しがスムーズに行きやすいのだと思います。
また、Eさんの事例を見ていると、やっぱり仕事を変える際には持っているスキルを活かしたほうが、無駄のない動きができるというか、新卒から数年間の業務で培った経験とかスキルを無駄にすることなく、経験者として転職できるのだなと思いました。未経験者としてではなく経験者として新しい職場に行ける事って仕事探しを成功させるための大きなポイントだと思います。