薬剤師の転職活動をする中で、漢方薬剤師に興味を持つという方も多いでしょう。
漢方薬剤師の仕事とは?漢方薬剤師になるためにはどうすればいいの?漢方薬剤師の年収は?を紐解いていきます。
漢方を取り扱う薬局での薬剤師の仕事とは?
主な仕事は次の通り
- 漢方相談
- 漢方調剤
漢方を求める方は主に未病や、より辛い症状で漢方のチカラを借りたいとする患者さんがほとんどです。中には漢方しか身体に合わないという患者さんもいます。
1.漢方相談
薬局に訪れた患者さんに問診票などを記入してもらい、ヒアリングを行います。このヒアリングは1~2時間に及ぶこともあります。
通常の病院とはスタイルが異なり、体調だけでなく、普段の生活、性格など、患者さんのことをより細かく把握していきます。
人によって調合が大きく異なる漢方においては、このヒアリングが何より大事な仕事でもあります。
患者さんから聞き出した情報をもとに、その患者さんにはどの生薬を用いて、どんな調合を行い、どのように処方するか、ワンストップで漢方薬剤師が担当することもあります。
漢方の知識だけでなく、患者さんとのコミュニケーション能力やヒアリング能力、理解力も必要となる仕事です。
2.漢方調剤
調剤に関しても、勤務地や薬局の形態によって大きくことなります。
漢方専門の薬局で漢方相談と共に調剤を行う薬局もあれば、提携病院の処方を扱って、生薬を調合するだけの場合もあります。
どちらの場合も、漢方の深い知識を持つことで患者さんへの適切なアドバイスが可能となります。
漢方薬剤師になるためには?
薬局やドラッグストアで薬剤師として漢方薬を取り扱うためにはどうすれよいのでしょうか?
実は公的には「薬剤師」の資格さえ持っていれば問題ありません。薬局の名称が漢方薬局であっても調剤薬局であっても、薬剤師以上の免許は必要ありません。
しかしながら、漢方薬剤師は東洋医学を基に漢方薬を患者さんに提供します。一般的な薬剤師が持つ医薬品知識だけでは足りず、漢方薬や東洋医学に関する知識が必要となるシーンは当然多いでしょう。
というか漢方専門の知識がないと、現実的には漢方を取り扱うことは厳しいでしょう。
漢方薬・生薬認定薬剤師の資格をとる
漢方の知識を得るためには漢方薬・生薬認定薬剤師という認定資格制度を活用することが一般的です。
漢方薬・生薬認定薬剤師は公益財団法人 日本薬剤師研修センターと日本製薬学会が認定している漢方薬・生薬に関する専門的知識を修得し、能力と適性を備えた薬剤師であることを認定する制度です。
まず、公益財団法人 日本薬剤師研修センターと日本生薬学会が実施する研修を受け、必要単位を取得し、試問に合格する必要があります。その後、「漢方薬・生薬認定薬剤師」として認定されます。
認定機関は3年間です。更新するためには再び漢方薬・生薬に関する研修に参加し、定められた単位を取得しなければなりません。それだけ信頼性の厚い認定制度となります。
国家資格ではなく、持っていないことで罰則があるわけではありませんが、専門性の高い漢方を取り扱う仕事において、事実上必要不可欠な資格と言えるでしょう。
専門性の高い資格ですので、漢方薬剤師として転職をする際や漢方薬剤師を目指す場合は大いに効力を発揮します。
漢方専門薬局へ転職する
ある程度の漢方や東洋医学の知識が身についているのであれば、一気に漢方専門薬局へ転職を試みるのもよい方法でしょう。
やはり実践的な実力を身につけるには現場が一番です。
漢方専門薬局は調剤薬局と比べ、数も少なく、求人も少ないですが、漢方を専門に扱う薬剤師の数も少ないので、実は穴場転職スポットだったりします。
求人数は少ないので、薬剤師専門の転職サイトや転職エージェントで常にチェックした方がよいでしょう。
漢方薬・生薬認定薬剤師の資格を持っていなくても転職可能ですが、やはり転職時には漢方薬・生薬認定薬剤師の資格を持っていたほうが有利に働くでしょう。また転職先によっては漢方薬・生薬認定薬剤師の資格を持っていることが条件となっている場合もあります。
漢方薬剤師の年収は?
漢方薬剤師の年収は、実は一般的な薬剤師とあまり変わりません。
働く場所や仕事内容、役職によって大きく異なるのですが、平均年収の中央値は
正社員:400万円~600万円
パート:時給2000円~3000円
といったところでしょう。
もちろん一般の薬剤師と同様、経験や能力に応じて昇給も可能です。
専門性の高い漢方薬剤師といっても、普通の薬剤師の収入事情とあまり変わらないのが実状のようです。
漢方薬剤師に有利な薬剤師専門転職エージェント
漢方薬剤師の転職活動においても、薬剤師専門の転職エージェントが有効活用できます。
情報の少ない漢方薬剤師ですが、せっかく薬剤師の資格を持っているのであれば薬剤師専門の転職サイトに登録して転職・求職活動を行いましょう。
また転職エージェントを活用すれば、各企業の採用担当者や現場担当者からヒアリングしている情報はもちろんのこと、実際の転職者からの情報提供などもしっかりとデータが蓄積されています。詳細を知りたい企業名を伝えればすぐにその内情を詳しく教えてくれ、転職活動の大きな参考情報となります。
こちらの記事にも書きましたが、薬剤師転職に強い転職エージェントとしては、下記の3社が挙げられます。
- 薬キャリ
- マイナビ薬剤師
- リクナビ薬剤師
まずはこちらの3つの転職エージェントに登録し、情報収集をすると、企業毎のより詳細な情報を得る事ができるので、積極的に活用しましょう。